学校法人 星野学園中学校

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2020/3/19

星野学園中学校・星野高校の皆さんへ

修了式中止にともなう、校長先生のお話を掲載いたします。


星野学園中学校・星野高等学校の皆さんへ

皆さん、元気に自宅での生活を送っていますか。皆さんとお会いしてお話しできないことは大変残念ではありますが、新型コロナウイルスの感染拡大に鑑み、修了式を中止することに決定しました。皆さんは当面の間、感染しないように細心の注意を払い、自宅で学習を進めてください。

現在、ニュース等で報道されているように新型コロナウイルスが世界的に感染範囲を拡大しており、医療関係のみならず経済社会等にも大きな打撃を与えています。科学の進んだ現代に、このような事態になることをどれだけの人が想像できたでしょうか。これからどうなるのか心配ですが、皆さんには心身ともに健やかに成長してほしいと願っています。

では、今、何をすべきでしょうか。私は皆さんに二つのことを提案します。一つは冷静に考察すること、もう一つは落ち着いて学習することです。

冷静に考えられる人になりましょう。この新しい脅威に際し、正しく恐れ正しく予防することが大事です。十分な換気や密集を避けることなど、今明らかになりつつある予防策を取り入れ、健康的に過ごしましょう。デマ情報に振り回されてはいけません。新しい情報に接したときに、その情報の出所はどこなのか、なにを根拠にしているのかを見極めようとする姿勢はとても大切です。今回の感染予防に限ったことではありません。冷静に考える習慣をつけましょう。皆さんには社会全体の利益を考え、慎重な行動をとれる人になってもらいたいと思っています。マスクの買い占めや転売など自己中心的な行動が報道されましたが、なぜそういうことが起きるのか、人間というものを考えるのによい機会だとも言えます。また、長い自宅学習期間は自分自身を見つめ直すのにもよいでしょう。たくさんの質問を考えて、自分自身にとことんインタビューしてみましょう。新たな自分を発見することと思います。

そして、皆さん、落ち着いて学習を続けましょう。私たちを取り巻く問題として、感染症の拡大、異常気象やそれを引き起こす環境問題、貧困、いじめなどたくさんの課題があります。これをひとつひとつ解決していくためには、これまでの英知を学び、これを応用していく必要があります。学校の勉強は社会に役立たないという人がいますが、それは間違っていると私は思います。確かに、教科書に載っていることがそのまま役立つことは少ないでしょう。なぜなら、すぐに使える知識は古くなったらすぐに使えなくなる知識であり、それらで教科書をいっぱいにするべきではないからです。若い皆さんが今学んでいるのは、英知の上に成り立つもの、学び方や考え方を形づくる根源的なものです。社会で活躍している人々は学校や教科書で学んだそれらを応用して難問を乗り越えているのです。

ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんは、科学に興味を持つ原点となった本としてファラデーという人が著した『ロウソクの科学』を挙げています。この本には150年以上も前に「ロウソクはなぜ燃えるのか」から地球環境への関係性を講演し多くの若者に影響を与えた内容が書かれています。吉野先生はこれを機会に学問の道を進まれ、人類や世界に多大な業績を残されました。このように平素の学習や一冊の書物が、思考力を広げ、難問を乗り越えていく力につながることを教えてくださっています。

学校や会社が数週間お休みになることで経済社会が動揺し始めています。まさに自分の周りでいろいろな問題が発生しており、私たちはこれを解決していかなければなりません。この難問を解決する方法はやはり学習しかありません。皆さんは是非この機会に学習や読書に時間を使い、自分や世の中を見つめ直してください。また、体も動かし体力維持にも努めてください。この大変な時期が結果的に皆さんに良き影響を与えたことになることを願っています。

令和2年3月19日                星野学園中学校 星野高等学校

学校長    星野 誠

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