
みんながやりたいことを見つけた。
星野では、一人ひとりが主役です。
星野学園小学校からの同級生であり、このたび高校卒業を迎えた鈴木僚さん、田中心結さん、田中宗彰さん。星野ならではの恵まれた環境の中、知識を蓄え、感性を磨いてきました。今はそれぞれが、新たな目標に向かってスタートを切ろうとしています。そんな3人に、星野での12年間を振り返ってもらいました。
校長
星野学園小学校では、週1回、私が行う道徳の授業があります。その内容を覚えていますか?
『論語』の言葉を教わりました。
鈴木
「過ちて改めざる是を過ちという」は、校長先生がよく話されていたので、よく覚えています。
田中(心)
僕も同じです。「失敗そのものは間違いではないんだ」と前向きな気持ちになれました。
田中(宗)
校長
失敗から学べることはたくさんあります。皆さんには、失敗してもくじけずに乗り越えてほしい。学校は、そのためのお手伝いをしているのです。
この言葉を知って以来、何があってもチャレンジする気持ちを忘れないようにしてきました。大学受験の模試の判定が悪くても、へこたれず努力を続けたから、本番で納得のいく結果につながったと思っています。
田中(心)
「巧言令色鮮し仁」も強く印象に残っています。口先で取り繕うのではなく、ありのままに、自分の中にちゃんとした柱を持って生きたいと思いました。
鈴木
校長
それらの言葉が皆さんの心の支えになっているのは教師冥利に尽きます。学校行事で記憶に残っているものは、ほかに何かありますか?
ニュージーランドに行った修学旅行です。興味深かったのは、現地の英語の発音が、それまで学んだアメリカ英語とは異なっていたこと。日本で勉強するだけでは得られない気付きがありました。
田中(宗)
宿泊を伴うプログラムが充実しているのは星野の特徴です。京都では座禅の体験も。小学生でそういった機会はなかなかありません。視野が広がりました。
田中(心)
星野では初めての場所にたくさん行けるので、新鮮な気持ちになれます。
鈴木
中学のときに盛り上がった行事は合唱祭かな?
田中(心)
確かに。合唱祭に限らず、芸術面のプログラムが多いのも星野のいいところです。芸術鑑賞会では、質の高い生の公演に触れられます。
鈴木
小学6年のときは、ヘレン・ケラーの演劇を観ました。中学・高校では、能やバレエも。
田中(心)
校長
本校の「ハーモニーホール」は県内外で高い評価を得ている本格的なコンサートホールです。一流の 芸術に触れる経験は、一生の財産になります。
知的好奇心を刺激するという意味では、星野の図書室はすごいと思います。なにしろラインナップが豊富です。私の場合、大好きな探偵小説のシリーズを読破して、次に手に取ったのは物理に関する本でした。それが大学選びにもつながっています。
田中(心)
文章を書くのが好きになったのは、図書室で本に親しんだからです。中学生の頃、ちょっとした小説を自分で書いて、クラスメートに読んでもらったこともありました。
田中(宗)
校長
星野小では、校外学習でお世話になった方々にお礼の手紙を書くプログラムが1年生からあります。だから文章を書くことに抵抗がなくなるのかもしれませんね。
読んだ本の冊数を学内で掲示する取り組みにも刺激されました。ほかの人の読書量が分かるので、「もっと自分も読まなきゃ」と張り切ったものです。
鈴木
校長
3人とも本好きになってくれたようでなによりです。では、今後の目標を教えてくれますか?
大学は理工系の学部に進みます。今興味があるのはプログラミング。3D やVR(バーチャルリアリティー)の技術を駆使したゲームをつくって、多くの人を楽しませたいです。
鈴木
中学2年の校外学習で宇宙航空研究開発機構(JAXA)を訪れた際、宇宙に関する仕事を間近に見て、大きな影響を受けました。大学では航空工学を学びます。宇宙空間を行き来する交通手段に関心があり、いつかは目的地まで直接行けるエレベーターみたいなものを開発するのが夢です。
田中(心)
高校の世界史の授業で、宗教と文化が密接に関連していることを知りました。進学先は神学部。宗教についてもっと深く考察したいです。
田中(宗)
校長
星野のモットーは「全員が主役」です。一人ひとりが、自分の夢に向かって努力とチャレンジを続けてくださいね。
星野 誠学校長
鈴木 僚さん
早稲田大学 基幹理工学部
【高校在籍時】情報処理部
田中 心結さん
東京農工大学 工学部
【高校在籍時】天文部
田中 宗彰さん
同志社大学 神学部
【高校在籍時】囲碁部