学校法人 星野学園中学校

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2024/2/3

【美術部】工場見学・絵具づくり

12/21(木)に中学校美術部は、株式会社クサカベ(本社工場)さんにお邪魔して、工場見学と絵具づくり体験を行いました。株式会社クサカベさんは1928年創業の油絵具の生産をはじめとした日本の画材製造業者さんです。

工場見学では、詳細に説明をしていただきながら原材料からパッケージングまで絵具の一気通貫の製造過程を見学しました。店頭に並ぶ絵具のチューブは、6つの工程を経て出来上がります。

はじめはオイル調合とミキシングです。絵具は、発色源の顔料と画面や絵具同士の固着を担う媒材の二つを、混ぜて構成されます。顔料の種類は色彩ごとに変化し、媒材は、水彩絵の具では水性のアラビアゴムが、油絵具では油が用いられます。この油のなかにはステアリン酸を加えることで、絵具の固さや保存力の調整をしています。簡単にはこのような素材の構成になっていますが、絵具ごとに細かいレシピが決められ製造されているそうです。

次にロールです。絵具は第一工程のオイル調合とミキシングのみだけで見栄えとしては出来あがっているように見えますが、ここからさらに練り上げることで普段使用している使い勝手が良い絵具へと仕上がります。ミキシングまでの絵具では、ざらつきやばらつきがあるので、異なった速度と回転方向のロールを3本用いて複数回使用することで、滑らかでツヤのある絵具になっています。顔料に使用される原料の硬さに応じて、鉄・セラミック・御影石の素材のことなったローラーを使い分けているそうです。

3番目に品質チェックです。絵具の固さや粒子の大きさ、色などを確認します。ここでの基準に合格したものだけが製品化され、私たちの手元に届くようになっています。一目でわかりにくいものは手作業で薄く伸ばしたりして、あらゆる状態で検品します。

その後、一定期間寝かせ熟成させます。こうすることで、色味が落ち着き、絵具の風合いをもたらすことができます。

最後に、熟成した絵具をチューブに詰め、ラベリングし、箱詰めです。こうして私たちがよく目にする絵具チューブの商品がつくられています。

絵具づくり体験では、水彩もしくは油彩絵具を一人ひとつ制作しました。同じ容量をつくる場合でも、媒材の種類によって使用する顔料の量が変わります。

工場見学では3本ローラーで顔料と媒材をミキシングしていましたが、手でペインティングナイフと練り棒を使って混ぜ合わせました。

適切なやわらかさと細かさになるようになったら、チューブに詰めて完成です。

普段から作品を制作している美術部ですが、その作品がどんなものが対象であるのか、自分自身が手掛けていきたいものはどんなものなのかということについて、改めて考えるきっかけになればなと思います。私たちの身の回りには膨大なモノが存在し、目的と用途があって生み出されています。そのどれもが作品として活用でき、成り立つかどうかは作者次第です。自分の目で捉え、自分の思考をもとに、自身で手掛けたことに誇りが持てるよう、少しずつ歩んでいけたらいいなと感じます。

株式会社クサカベ(朝霞本社工場)さん、このたびはこのような貴重な体験の場を設けさせていただきありがとうございました。絵具づくりを通じて御社のモノづくりの理念だけでなく、環境保護の観点も垣間見て学ぶことができました。作品作りに生かさせていただきたいなと思います。

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